WHAT'S COCORO ?
カレー食堂「心」って?
累計95万ヒット突破の人気WEBサイト「札幌激辛カレー批評」を主宰し、初のスープカレー本『北海道スープカレー読本』(発行:亜瑠西社)を書かれた樺沢紫苑氏に、「カレー食堂『心』」についてインタビューしました。「心」のスープカレーを未体験の方は参考にしていただけると思いますし、すでに体験済みの方も「へ〜っ」って納得いただけると思います。
樺沢紫苑氏インタビュー「カレー食堂『心』って?」
【前編】 【後編】
北海道スープカレー読本樺沢 紫苑 (著)
スープカレーの定義、食べ方、分類にはじまり、店主へのインタビュー、開店秘話。そして、約70軒の徹底ガイド。スープカレー本の決定版である。
(本を書くまで)
ある日、友人がおいしいカレー屋があるから行こう、と連れて行かれたのが、「スリランカ狂我国」という店です。これには、はまりました。
激辛なんだけどもスープに十分なうまみと甘みがある。そして、野菜(ニンジンとジャガイモ)が、信じられないくらい甘くておいしい。こんなおいしい食べ物があったのか、と驚きました。
最初は、週3回くらい食べ続けましたかね。こんなおいしいもの、何でみんな知らないのかな?ブームにもならないのは不思議だなあ、と漠然と思っていました。
結局、いわゆるグルメブームの前で、メディアといえばタウン誌の「イエロー・ページ」くらいなもの。テレビで飲食店を紹介する番組もあまりなかった頃です。
それから何年もして、少しずつスープカレーの店は増えていきました。私は、カレーに限らず、いろいろと食べ歩いていました。札幌以外のところにも住んでいて、旭川にも3年いたので、旭川のラーメンとカレーもほぼ制覇しました。
それで、1998年に仕事の関係で札幌に戻ってきました。そしたら、知らないスープカレー店が10軒くらいできていて驚いたんです。丁度、「らっきょ」ができたころです。「これは、行かなければ」と、血が騒ぎました。
たまたまその頃、デジカメがブームになり始めた頃です。みんな持っていて楽しそうなので、私も高価なデシカメを買ったんですが、「写すものがなくて宝のもちぐされじゃないか」と思っていました。それに、ちょうど映画のホームページをやっていたこともあり、デジカメを使わないともったいないから、日記でもつける感じで、「カレーのホームページでもやろうか」と始めたのが、「札幌激辛カレー批評」です。
当時、札幌のカレーのホームページは、ありませんでした。多分、しっかりしたホームページが一つでもあれば、こんな面倒くさいことはやってなかったと思います。多くの人に見てもらうつもりは最初はなくて、マイペースで更新していました。1日20-30ヒットが1年続き、載っている店の数に比例して、読者の方も増えていったように思います。いつのまにか、1日千ヒットのホームページになってしまい、今では好き勝手に感想も書けないので困っています(笑)。出版は、ホームページの延長です。出版の企画は、かなり前から持っていて出版社に出したりしていたのですが、「時期尚早」と断られました。結局、スープカレーがブームになった後は、出版は簡単に決まりました。いずれにせよ、ホームページあって、出版にこぎつけられたということでしょう。
「心」のカレーは、アジア的なものではなく、西洋料理の雰囲気です。
実際、「心」の基本となるベースのスープは、牛骨も使っていますから、洋食のフォンド・ボーに近いと思います。トマトベースで、「ラビオリのスープカレー」というのもありますから、イタリアン的なものも感じます。「心」は、スープカレーというものに、洋食の技法やアイデアを取り入れて発展させた。そのように、とらえています。
「心」は、これから東京で展開していくうえで、これは非常に有利だと思います。札幌の「心」は、北海道大学のすぐ前という立地もあって、北大生とかサラリーマンとか幅広く多くの人たちの支持を受けました。
一方、東京では、おそらく「心」のスープカレーは、女性を中心に人気が出ると思います。東京のグルメ界をリードしているのは、独身のOLさんたちです。東京で一生懸命に食べ歩いているのは、彼女たちです。彼女たちの口コミによって、さまざまな食のブームが作られてきています。彼女たちは、イタリアンやフレンチなど洋食を食べ慣れています。そうした人たちには、トマトベースで十分なうまみのある「心」のスープカレーの魅力は、ストレートに伝わるでしょう。
それでいて、価格的にみると、洋食専門店でランチするよりも、お得ですから。また、「心」のスープカレーは、油っぽくなくヘルシーなところも良いですね。
リピーターの方には、「納豆とオクラのスープカレー」を食べて欲しい。納豆とスープ?どうみてもミスマッチに思えるでしょうが、札幌のスープカレーファンの間では、納豆カレーといえば「心」と「プルプル」がおいしいということになっています。
実は、アメリカにはケイジャン料理というのがあり、ガンボというスープがあります。ガンボとはフランス語で「オクラ」のことで、オクラ入りのスパイシーなスープです。だから、ネバネバ食材はスープと意外に合うんです。私も、アメリカではガンボを、スープカレーがわりに、よく食べています。